Apple “AirPods”レビュー、そしてEARINとの比較

10月発売のはずが…

 9月7日午前10時(日本時間9月8日午前2時)から開催されたAppleスペシャルイベントで、Appleは完全ワイヤレスイヤホン”AirPods“を発表しました。当初は10月後半に発売開始とアナウンスされていたのですが、その後、発売が延期。12月に入っても全く発売される気配がなかったので年内の発売はないかなと思っていたところ、日本時間で12月13日の夜(23時頃?)、突然、公式オンラインストアで発売が開始されました。私は、日付が変わった14日の0時過ぎにたまたまMacお宝鑑定団Blog【羅針盤】の記事を見てすぐさま予約したところ、12月19日お届けの初回出荷分を予約することができました。その直後くらいにはお届け予定が4週間後となり、その後6週間後となったようです(ただ、お届け予定が4週間後となった方にもかなり前倒しで届けられているようですね。)。

 そして、12月19日、待ちに待ったAirPodsが予定どおり私のところに届きました。

 以下、開封の儀と1週間ほど使った使用感、そして私がこれまで使ってきた、同じく完全ワイヤレスのイヤホンであるEARINとの比較をお届けします。

開封の儀

 梱包ダンボールの包装がかなり雑でちょっと残念…。
 ダンボールを開封!あれっ、斜めに固定されている…。

 Apple製品は梱包しているダンボールも含めてキレイに包装されているというイメージなんですが・・・私のところに届いたAirPodsは、ダンボールを封印するビニールテープが「ぐちゃっ」となっていて、さらにこれを開けるとAirPodsの箱が斜めに固定されているという状態でした。ちょっと残念…。
(そういえば、iPhone 7 Plusの梱包も少し雑でした…。)

 AirPodsの箱はさすがにキレイな状態でした。よかったー。

 AirPodsの箱を開封。他のApple製品と同様に”Designed by Apple in California”が出現。
 いつものとおり、とてもシンプルなマニュアル類。
 AirPodsの充電ケースが登場!
 充電ケースの下には・・・
 Lightning – USBケーブルが付いていました。
 充電ケース。かなりコンパクトで手のひらにすっぽり収まります。
 充電ケースの裏面。”Designed by Apple in California”とともに”Assembled in China”と記載されているのは他のApple製品と同じ。

  裏面の下の方に丸いボタンがありますが、これはmacOS Sierra、iOS 10.2、またはwatchOS 3以外の機器とAirPodsをBluetooth接続する場合に押すボタンです。

 充電ケースの底面。Lightning端子があります。

 充電ケースの充電はLightningケーブルを接続して行います。したがって、iPhoneを使っている方は、iPhoneの充電アダプタやケーブルをそのまま流用できます。

 充電ケースのフタを開けたところ。

 充電ケースのフタを開けると、中にAirPodsがセットされていました。左右のAirPodsは、単に充電ケースの中にはまっているというだけではなく、磁石で軽く吸着されています。したがって、フタを開けた状態で充電ケースを逆さまにしてもAirPodsが落ちることはありませんし、AirPodsを収納するときは、磁石の力で「シュッ」と引き込まれる感じで収納されます。これが結構心地いいですね〜。

 AirPods本体の登場。

 「棒」の部分に”L”、”R”の文字が記載されています。

iPhoneとのペアリング

 AirPodsは、iOS 10.2がインストールされているiPhoneを近くに置けば、特別なペアリング操作をする必要はなく、充電ケースのふたを開けてiPhone上で1回タップするだけでペアリングが完了します。

 iOS 10がインストールされたiPhoneの近くで充電ケースのフタを開けると、自動的にこのような画面が表示されます。

 iOS 10.2をインストールした私のiPhone 7 Plusの近くで充電ケースのフタを開けると、程なくして上のような画面が出てきました(実際の画面では、充電ケースがゆっくりと回転しています。)。ここで「接続」をタップするだけでペアリングが完了。あとは、AirPodsを充電ケースから取り出して耳に装着するだけで、通常のイヤホンと全く同じように使うことができます。

 一旦ペアリングを解除し再度ペアリングしたときに表示される画面。AirPodsに自動的に私の名前が付けられていました。

 AirPodsを充電ケースに収納してフタを閉じるとペアリングは解除されます。その後、再度フタを開けてペアリングすると、自動的に私の名前が付いた状態で表示されました(この名前は設定で変更することができます。)。2回目以降のペアリングでは「接続」ボタンなど表示されず自動的にペアリングが完了します。

 iPhoneの「通知センター」の「バッテリーウィジェット」にAirPodsのバッテリー残量が表示されます。

 iPhoneの画面上端から下方向にスワイプするか、ホーム画面を左から右にスワイプすると表示されるiOSの「通知センター」の「バッテリーウィジェット」に、左右それぞれのAirPodsと充電ケースのバッテリー残量が表示されます。

iPad、Macとのペアリング

 一旦、iPhoneとペアリングすると、同じiCloudアカウントで登録しているiPad (iOS 10.2) やMac (macOS Sierra) にも、とても簡単にペアリングすることができます。

 iPadの「コントロールセンター」にAirPodsが名前付きで表示された。

 iPadの場合は、画面下端から上にスワイプして表示される「コントロールセンター」にAirPodsが名前付きで表示されます。ここで表示されるAirPodsをタップすることによりiPadとのペアリングが完了します。

 macOS SierraをインストールしたMacBook (Early 2015) のBluetoothアイコンをクリックしたところ。

 Macの場合は、メニューバーに表示されるBluetoothアイコンをクリックするとAirPodsが名前付きで表示されるので、「接続」をクリックすることによりMacとのペアリングが完了します。

 ちなみに、AirPodsは同時に複数のデバイスとペアリングすることはできません。したがって、例えばiPhoneとペアリングしてiPhoneから音楽を聴いている途中にiPadとペアリングしようとすると、程なくしてiPhoneの音楽再生が中断してペアリングが解除され、iPadとのペアリングが完了します。

AirPodsの装着感(落ちない?)

 AirPodsの耳に装着する部分の形状は、iPhoneを購入すると標準で付属する有線イヤホン”EarPods“とほぼ同じです。Appleによると「従来の丸いイヤーバッドとは違い、EarPodsのデザインは耳の形状にもとづいています。より多くの人にとって、ほかのイヤーバッド式ヘッドフォンよりも快適に感じられるでしょう。」とのことですが・・・私の耳にはどうも合わず、EarPodsはあまり使っていませんでした。

 で、このAirPodsですが・・・やはり私の耳では、装着感はよくないですね…。これに関しては個人差が大きいでしょうが、私の場合は耳の穴の奥までは入らず、入口付近で引っかかっているという感じです。
 しかし、だからといってすぐに落ちてしまうのかというと、そういうわけでもありません。Appleのティム・クックCEOがテレビのインタビューで、AirPodsが耳から落ちにくい理由はケーブルがないからと語ったとのことですが、実際に使ってみると、頭を激しく振ってみたり少し走ってみたりしても、私の耳からAirPodsが落ちることはありませんでした。この記事を執筆している時点でAirPodsを使い始めて1週間ほどになりますが(毎日使っているわけではありませんが。)、これまで耳から落ちたということはありません。

 ただ、これまで使ってきたEARINの安定感に慣れた私にとっては、AirPodsの頼りない装着感には少し不安を感じてしまいます(まぁ、慣れの問題だとは思いますが。)。 

音質は?遮音性は?

 私は残念ながら音質へのこだわりはあまりないので(汗)、AirPodsの音質には十分満足しています。ネット上の各種レビュー記事を読んでも、音質は概ね好印象のようですね。

 一方、周りの音の遮音性については、耳の穴に少し入るだけ(私の場合は引っかかるだけ)のAirPodsはそれほど高くありません。低反発ポリウレタンで耳をふさいでしまうEARINと比べると、かなり遮音性は落ちてしまいます。

 試しに走行中の地下鉄の車内で音楽を聴きながらAirPodsとEARINを交互に使ってみたのですが、AirPodsの場合は音楽を聴いていても車内アナウンスをはっきりと聞くことができたのに対し、EARINの場合は車内アナウンスに意識を集中しないと聞き取れないという感じでした。

 この点は、イヤホンに何を求めるのか、どのようなシチュエーションで使うのかによって評価が異なるところでしょうね。周りの音をしっかり遮断して音楽などに集中したい、あるいはカフェなどで音楽を聴きながら勉強などの作業に集中したいという場合にはAirPodsは不向きで、EARINやノイズキャンセリング機能付きのイヤホン、ヘッドホンの方が向いていると思います。一方、音楽などをBGMとして聴きつつある程度きちんと周りの音も入ってきてほしいという場合にはAirPodsは最適でしょう。徒歩での移動中、電車での移動中に音楽やPodcastを聴くことが多い私には、周囲の音をあまり遮断しないAirPodsの方が合っているかもしれません。

 ただ、AirPodsは周囲の音をあまり遮断しないため、騒がしい環境で音楽などを聴く際はEARINに比べるとどうしても音量が大きくなります。たとえば外出時騒がしい中で設定した音量のままで室内など静かな場所に移動すると、音量が大きくてちょっとびっくりすることがありますし、反対に、静かな場所で設定した音量のままで騒がしいところに移動すると、ちょっと聴きづらかったりします。したがって、移動中にAirPodsで音楽などを聴く場合は、EARINに比べるとこまめな音量調節が必要になるかもしれません。

EARINとの比較

 充電ケース(EARINでは「充電カプセル」)どうしの比較。
 本体どうしの比較。

 今年の2月からEARINを使い始めて以来、私は、iPhoneで音楽を聴くときもPodcastを聴くときもほぼEARINを使い続けてきました。左右独立、完全ワイヤレスイヤホンの分野で先行してきたEARINとAirPodsを比較すると、上記のとおり遮音性という点ではEARINが優れていますが、音質という点では(音質に全くこだわりのない私には)ほとんど変わりはありません。

 ただ、操作性、安定感という点ではAirPodsの方が圧倒的に優れています。詳細に比較すると・・・

1 ペアリングの容易さ

 初めてするペアリングの容易さという点では、一般のBluetooth機器と同じ操作が必要なEARINに対し、上記のとおりAirPodsは非常に簡単な操作でペアリングができてしまいます。しかし、この点に関しては、一旦ペアリングしてしまえばEARINもAirPodsと同様に充電カプセルから取り出すだけでペアリングが完了するので、日常の使用に関してはあまり変わりはありません。

2 ペアリングの安定性

 EARINのレビュー記事で欠点として書きましたが、EARINは、たまにペアリングに失敗したり、突然ペアリングが解除されたりすることがあります。
 一方、AirPodsは、まだ1週間ほどしか使っていないので確実なことはいえませんが、これまでのところペアリングに失敗したり突然解除されたりということはなく、安定して使えています。

3 耳への装着の容易さ

 EARINの場合、耳に装着する前に低反発ポリウレタンのイヤーチップを指で押さえて小さくした上で耳に入れなければなりませんが、この作業が少し面倒です。小さな本体2つを手に持った状態で路上や駅のホームなどで立った状態でこの作業をしようとすると、思わず落としそうになったことが何度かありますし、実際に落としてしまったこともあります(幸い、無くなりはしませんでしたが…。)。
 一方、AirPodsは充電ケースから取り出してそのまま耳に装着するだけです。

 ただ、この点に関しては、遮音性を重視するかどうかにかかわるところですね。

4 一時停止・再開機能

 EARINの場合、音楽などの再生を一旦スタートすると、iPhone上で一時停止の操作をするか本体をイヤーカプセルに収納するまで再生を続けます。また、再生を再開する場合も、iPhone上で再生ボタンをタップする必要があります(私の場合は、これらの操作をApple Watchでやっています。)。
 一方、AirPodsの場合は本体に装着センサーが内蔵されているため、耳からはずすだけで再生がストップします。この時、左か右の片方のAirPods(”AirPod”と表記すべき?)だけを耳からはずすと、同じく一旦再生がストップしますが、再度耳に装着すると自動的に再生が再開します(左右両方をはずしたときは、再度装着しても自動的には再開しません。)。

 さらに、iPhoneとペアリングされた状態で「設定」→「Bluetooth」から「AirPods」の「i」をタップしてAirPodsの設定画面を呼び出し、「AIRPODSをダブルタップ」で「再生/一時停止」を選択すると、AirPodsを耳に装着した状態で左右どちらかのAirPodsを指でダブルタップすることにより、音楽の再生・一時停止を操作することができるようになります。

 AirPodsの設定画面。「設定」→「Bluetooth」から呼び出すことができます。

 このダブルタップの操作は、デフォルトではSiriの呼び出しに設定されていますが、Siriをあまり使わないのであれば、この「再生/一時停止」に設定しておくのが便利だと思います。

 なお、誤動作防止のためか、ダブルタップする際はAirPodsを少し強めに「叩く」必要があります。軽く「ポンポン」とタップするだけでは反応しません。
 また、これまで2回ほど、このダブルタップの操作が反応しなくなったことがありました。この場合、一旦AirPodsを耳からはずして再度装着すると、きちんと反応するようになりました。

5 音の安定性、遅延

 EARINのレビュー記事で欠点として書きましたが、EARINは、時々、音が「揺らぐ」ことがあります。また、音の遅延が大きく、動画を再生した場合には、音声と映像がわずかにずれて違和感を感じてしまいます。
 しかし、AirPodsの場合は、これまでのところ音の「揺らぎ」を感じたことはありません。また、音の遅延はほとんど感じられず、動画再生であっても、有線イヤホンの場合と同様、違和感なく鑑賞することができます(有線イヤホンと比べて遅延が全くない、とは言い切れないかもしれませんが、YouTubeなどで動画を再生する分には全く問題はありません。)。

6 専用アプリ

 EARINには”EARIN”という専用アプリが用意されています。このアプリを使うことによって、左右のイヤーピースのバッテリー残量を確認したり、左右バランスや低域周波数帯を調整したりすることができます。
 ただ、バッテリー残量を確認したい場合、このアプリを立ち上げて残量が表示されるまで30秒程度待たされるので、結構面倒です。また、残量を確認できるのはイヤーピースのみで、充電カプセルのバッテリー残量を確認することはできません。左右バランスを調整したりすることもないので、結局このアプリを立ち上げることはほとんどありませんね…。

 EARINアプリの画面。左右のイヤーピースのバッテリー残量が白い円で表されています。

 一方、AirPodsの場合、専用アプリはありませんが、バッテリー残量についてはiOSの「通知センター」の「バッテリーウィジェット」に表示されるため、いつでもすぐに確認することができます。また、EARINと異なり、左右のAirPodsだけでなく充電ケースのバッテリー残量も確認することが可能です。

 AirPods及び充電ケースのバッテリー残量がパーセントで表示されています。

7 連続再生時間

 AirPodsの連続再生時間は、Apple公式発表によると最大5時間とのことです。一方、EARINは、公式発表によると、ステレオモードで最大2時間50分、モノラルモードで最大11時間とのことです。

 私の場合、これまでEARINを使っている最中にバッテリー切れになったことはほとんどありません(充電カプセルの充電を忘れてバッテリーが切れてしまったことは何度かあります。)。なので、満充電された状態であれば、私にとってはAirPodsでもEARINでもどちらでも遜色ないということになります。
 ただ、AirPodsには、15分の充電で3時間再生することができるという急速充電機能があります。今のところ、この急速充電機能を使わなければならない場面に遭遇したことはありませんが、万一の際は非常に便利な機能だと思います(充電ケースの充電を忘れてしまうと全く意味がありませんが。)。

AirPodsとEARIN、どちらを使うか

 以上、AirPodsとEARINを詳細に比較した結果、私はこれからはAirPodsを使い、EARINはほとんど使わなくなると思います(実際、AirPodsが到着してからのこの1週間ほどの間、EARINはこの記事を書くために何度か使っただけでした。)。私にとってEARINがAirPodsよりも優れている点は、

 ・耳へのフィット感
 ・遮音性

の2点だけで、他の点は全てAirPodsの方が優れており、トータルするとAirPodsの圧勝です。

 というわけで、今年の2月の頭からとても気に入って使ってきたEARINですが、11か月余りでAirPodsに取って代わられることになってしまいました…。

 それにしても、AirPodsのこの完成度の高さを考えると、EARINだけでなく他の完全ワイヤレスイヤホンメーカーも相当がんばらなければならないでしょうね。しかも、AirPodsの価格は税別16,800円(税込18,144円)です(EARINは税込26,784円。)。完全ワイヤレスでこの機能であれば、AirPodsの価格はかなりお得ではないでしょうか。

 以上、AirPodsのレビューでした。


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halu(はる)

Mac歴約20年の弁護士です。現在のメインマシンは、MacBook(Early 2015)、iPhone 7 Plus、9.7インチiPad Pro、Apple Watch Edition – 42mmホワイトセラミックケース。仕事ではWindowsも使っていますが。

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